ケストラーさんのネックウォーマー

先日、地元の手芸店で行われた、ドイツ出身の編み物作家であるベルンド・ケストラーさんの講習会に参加してきました。

ケストラー先生は、あの「ピカソのコート」で特に有名な方です。先生とお話してみての感想は、とにかくポジティブと言うか、考え方や発想がとても柔軟な方だな~と思いました。

たとえば、輪にするときねじって編んでしまったために、編地がメビウスの輪のようになってしまっても、それを「新しい作品」とか、「世界にひとつだけのオリジナル!!」と言って、それはそれでよしとしてしまうとか。「編み物に間違いはないんだよ。」とおっしゃっていたのが印象的でした。

そういったやわらかい頭や型にはまらないスタイルから、独創的な作品は生まれるんですね~。なんか納得しました。見習わなくては・・・w

そして、今回使用した輪針は、ついに輪針を購入しました~という日記でお話した、この講習会に参加するために買ったものでした。このネックウォーマーは、輪針で編む練習にもなっているのです。

アスターステッチ ネックウォーマー

使用する糸は、「フィオレンティーノ」と「ブランド」一玉ずつです。(フィオレンティーノのほうは、半分弱余りました。)

早速作り目を作ろうと思ったのですが、指でかけるつくり目のとき、いつも糸をどのくらい使うか分からないと言ったところ、先生はおもむろに、針に糸をくるくると巻きつけ始めました。1回=1目なので、20回ほど巻きつけたあと、必要な目数分の長さまで倍にします。

なるほど~と感心していたら、先生は「こんなやり方もあるよ」と言って、針にかけて作るつくり目の方法を教えてくれました。

ちなみに、梅村マルティナさんのYouTubeチャンネルでこのやり方が紹介されているのですが、ケストラー先生がおっしゃるには、そのつくり目は目がとても伸びやすいので、レース模様を編むときに使うといいそうです。

その代わりに先生が教えてくれたのは、基本的にはマルティナさんの作り方と同じですが、1目めから作り目を編み出す方法ではなく、1目めと2目めの間に針を入れて、新しい作り目を作る方法です。

追記:この方法の名前が分かりました!(笑)

そして、今回はその方法で作り目をしてみました。

針でつくる作り目

どうですか?個人的には指でかけるつくり目より目がそろっていて、きれいな気がします。

この方法のもうひとつの利点は、一般的な作り目の方法みたいに、糸が余る心配がない点にあります。最後にとじる用に10cm ほど残しておけばいいだけなので、無駄がなくていいですよね。

さて、Knitpicks の輪針セットに付属のコードを使って指定の目数だけ作り目を作ったのですが・・・

コードが長い!w

真ん中のほうをつまんだりして、なんとか一段目を編みきりました。(幸いなことに、きついのは作り目のときだけで、編んでいくうちに広がってきたのでよかったですが、もしこのネックウォーマーを作る方がいらしたら、輪針は短めのほうがいいかもです。)

作り目を輪にして一段目を編むときは、必ずねじれていないかを確かめてから編みます。(ねじれていても、最初の段だったら修正出来るので、初めが肝心だそうです。)

アスターステッチの部分は、ドライブ編みで編みます。見た目は複雑そうに見えますが、編み方自体は簡単。(そして、楽しい!)

もうひとつ教えてもらったのは、目数リングの重要性。これがあると編み間違えにくくなります。先生は大量のカラーゴムを持っていて、それで代用していました。(本物の目数リングと同じくらいのサイズのゴムもお持ちで、それが可愛かったw)

目数リングは4本針で編むときも役に立ちます。(もしかしたら輪針で編むときよりもっと重要かも)

「4本針で編むとき、境目が気になる」という話をしたら、「4本目の針で編み終わったあと、続けて2,3目だけ編み終わった目があるほうの針で編んでしまうと、境目がくっきりしなくなる」と教えてくれました。

でもそれだと、どこからが次の段か分からなくなってしまいません?と言ったら、「そのための目数リングでしょ!」と、考えてみれば当たり前のことを言われました。そっか、リングを入れておけば、その次の目が次の段のスタートになるから、針にかかっている目数がばらばらでも関係ないですよね。何で今まで気付かなかったんだろうw

今度靴下でも編むときにやってみます。

アスターステッチのネックウォーマー

裏側。糸替えのところが途中から上手くいっていないような気がしないでもない・・・w

糸を変えるときの決まりごとってあるのでしょうか。配色糸が上でしたっけ?

完成しましたが、ネックウォーマーには少し大きかった。指定の号数は6~7号で、私は手が固いので7号で編もうと思っていたのですが、Knitpicks はアメリカサイズなので、私の持っている針の中には日本の7号に当たるものがありませんでした。

なので8号相当のもので編んだのですが、これは微妙に大きすぎました。うーん。6号でも良かったかもしれないですが、これはこれでよし!ということで、ケストラー先生を見習いたいと思います。(?)

ちなみに、アスターステッチの部分に使用した「フィオレンティーノ」という毛糸は段染めになっており、先生の見本には黄色いステッチが出ていたのですが、私の作品は黄色い毛糸に行き着くまでに、完成してしまいました。黄色が入らないと、落ち着いた印象になりますね。

ケストラー先生の作品

最後に、こちらは先生が編んでいた作品。(先生の許可を得て掲載しています。)このフリンジ?は、先ほどの作り目と同じようなやり方だそうです。かわいい!

そして先生はお話し上手でもあります。日本語はもちろんぺらぺらです。

イギリスに住んでいらっしゃったことがあるそうで、私が去年ホームステイで滞在したケント州のガーデンにもとてもお詳しかったです。(私がケントに行ったというと、「あ~、Garden of England ね!」と言われてビックリ。ケント州は、”the Garden of England” イングランドの庭) と呼ばれるほど、素敵なお庭がたくさんある場所として有名な州でもあります。

ケストラー先生の講習会に参加をするのは今回が初めてでしたが、とにかくすべてが新鮮でした。編み物のちょっとしたコツを教えていただけたのはもちろん、会話の節々に先生の編み物に対する情熱が感じられて、私ももっともっと色々な技法や作品に挑戦したいと思うようになって来ました。

先生はお教室を持っていて、色々な手芸店で講習会もなさっているようですので、もし機会があれば是非参加してみてはいかがでしょうか。とても楽しくて有意義な時間を過ごせること間違いなしだと思います!

先生のホームページはこちらから。ピカソのコートが完成するのが待ち遠しいですね!!10月にはかかとを編まない靴下の本も出版されるそうですよ!

追記:発売されたみたいですね!私も欲しい・・・↓

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投稿者 よもぎ

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