かかと編みにおけるドイツ式引き返し編みの3つのバリエーション
前回はドイツ式引き返し編みの概要についての説明をしましたが、今回は、靴下のかかとをドイツ式引き返し編みで編むときの3つのバリエーションについてのお話です。
自分の足の形にフィットするかどうかという問題を抜きにして、ドイツ式のかかとは一番きれいに編めると言うタイプの引き返し編みではないのですが、初心者が靴下を編んでみようと思ったときに、比較的簡単な操作できれいに編むことができるという点において、とても優れた編み方だと思います。
一口に「ドイツ式の引き返し編みのかかとの編み方」と言っても、ほかのかかと同様、微妙に編み方が違うものがたくさんあるのですが、今日は私が編んでみた中でもおすすめの編み方をご紹介します。
今回参考にしたのは、こちらの動画。今までに何度もご紹介してきたものですが、3種類の GSR の編み方を解説してくれています。
結論から言うと、私は Version 3 の編み方が一番気に入りました。
そしてその Version 3 の中にもさらに編み方を微妙に変えて編んでみたので、編地を比較してみようと思います。
Version 1 のドイツ式引き返し編み
こちらは、かかとの前半部分を編み終わったら、甲側をぐるっと一周編むタイプの編み方です。
動画でも説明されていますが、この編み方は、かかとだけ色を変えて編むタイプや、マルチカラーの糸(段染めの糸など)には向かない編み方です。
理由は前述のとおり、かかとを編んでいる途中で甲側を編むから。その部分とかかとの色を分けて編むデザインだと、Version 1 の編み方で編む場合、影響が出てしまいます。
個人的には、かかとだけ色を変えて編むことが多いので、この編み方は却下w
Version 2 のドイツ式引き返し編み
この編み方は、所謂日本式引き返し編みで編むかかとの編み方と同じです。日本式の「掛け目+滑り目」をダブル目に置き換えたもの。
かかと部分を独立して編むことができるので、色を変えて編んだり段染めの糸で編んでも影響しません。
Version 3 と違ってダブル目を「編み残す」時と「編み進む」時の両方作らなくてはいけないので、少し大変かもと言う印象。
追記:実際に編んでみたらすごく簡単でした!日本式とやり方は同じなのに、ダブル目になるだけでこんなにシンプルになるとは・・・と言う感じ。詳しくは次回の記事で!
Version 3 のドイツ式引き返し編み
今回のメインの編み方、Version 3 です。
簡単に編み方を説明すると、かかと部分の目数を3等分し、両端にダブル目を作っていく。(=編み進む引き返し編み)
それができたら「編み進む引き返し編み」のような動きで逆三角形を作っていきますが、その際にダブル目を編んだ後(段消し)、新しくダブル目を作る代わりに滑り目をして編み進めていきます。
(言葉で説明するのは難しいので、動画を観るほうが早いかも。^^;)
そのような感じでかかとを作っていくのですが、この Version 3 には、仕上げの方法に2つの選択肢があります。
①全てのダブル目を編んでしまう方法
②ダブル目が両端に1目ずつある状態になったら、その時点で輪にして編んでいく方法
の2つです。
注意点として、①の方法で編む場合はそのまま輪で編むと、↑このようにかかとと甲側のつなぎ目に大きな穴が開いてしまうので、その穴を埋める操作が必要です。
②の編み方で編むかかとは、両端にダブル目が一つずつある状態になったらターンせずに輪で編んでいきます。
以上のことを踏まえて、Version 3 の編み方で編んだ編地を比較していきたいと思います。
比較する編地は全部で3枚です。
- ①の方法で編んだ編地(ピンクの毛糸のタグ)
- ②の方法で編んだ編地(水色の毛糸のタグ)
- ②の方法で編んで、穴を埋める操作もプラスした編地(茶色の毛糸のタグ)
引き返し編み以外の部分はすべて同じ条件で編んでいます。
まずは1の編地のアップ。比較的きれいな編地だと思います。
穴を埋めるために、渡り糸の1目下の両端の半目を拾って2目一度しましたが、個人的にはこの部分とかかとのつなぎ目が少しごちゃごちゃしていて気になる。
次に2の編地。両端のダブル目は、両方とも表側から輪で編む方法です。穴を埋める操作はしていません。
動画では穴を埋める操作をしなくても穴が開きにくいとのことでしたが、私の編み方が悪かったせいもあり、ちょっとだけ穴が目立っています。
そこで、3の編み方の登場です。これは、いわば1と2の編み方のハイブリッドと言う感じ。
個人的に、この方法で編んだドイツ式の引き返し編みが一番気に入っています。
反対側はこんな感じ。
1番目の編み方は穴が開かなくていいのですが、かかとと甲の部分のつなぎ目が若干乱れているのが気になっていました。
2番目の編み方だとつなぎ目がスムーズに見えますが、穴が開いてしまうのでこれに穴が開かないような操作をしたら、3番目のような編地になりました。
見本は目数が少なかったのであまり靴下っぽくありませんでしたが、実際に履けるサイズで編むとこんな感じです。
隙間は若干見えますが、私の中では許容範囲内かな・・・。
一番最初と2番目のダブル目が特に緩みやすいので、その2目を特にきつく編むのがポイントです。
ミッドポイントでダブル目を1目編むか、2目編むか
ここからは蛇足です。興味がある方だけお付き合いください^^;
この動画のドイツ式引き返し編みで、所謂「編み進む引き返し編み」の部分を編むとき、最初のダブル目だけは2つ続けて編みます。(折りたたんだときに上下がマッチするようにするため。)
が、違う方の動画では、1つだけしか編んでいないものもありました。
そこで、こちらも両方編んで比べてみたところ、若干違いが出ました。
まず、見た目に関して。2目連続でダブル目を編むほう(茶色のタグ)は、「編み進む引き返し編み」にあたる部分のダブル目が、「編み残す引き返し編み」の部分にあたる滑り目とマッチしているので、ラインがきれいに出ています。
ダブル目を最初の1つしか編まない方は(白いタグ)、バーみたいな糸が一直線に並んだような感じになっています。見ようによっては、それがアクセントになっている感じ。
また、触った時の感触の違いとして、2目連続でダブル目を編んだほうは、1目のみ編んだほうに比べてターンした部分がぼこっとしています。
かかとのような角度の深い部分には、奥行きがある編地のほうがいいのかな~と思うので、私は2目連続でダブル目を編むほうを採用することにしました。
こんな感じで、今回はドイツ式の引き返し編みの編み方の比較をしてみました。
かかとの編み方一つとってもいろんなバリエーションがあるので、編み物って面白くて奥が深いですよね。
ちょっと細かすぎる比較なので、編んでいる途中でこれって意味あるのかな?と言う感じがしなくもなかったのですが(笑)、まあ、納得のいく編み方を発見できてよかったです。かかと編みの練習にもなりました^^
こんにちは。とても参考になったのですが、ぜひ動画で紹介して欲しいです。特に色を変えるところと穴が開かないようにする動画を見てみたいです‼️ぜひぜひお願いします(>人<;)
華華さん
コメントありがとうございます!参考になってよかったです^^
私も靴下の編み方の動画を作りたいな~と思っている所なのですが、
今使っているカメラの画質があまりよくないので、できれば新しいものにしてから撮りたいと思っています。
あと、まだ少し実験してみたいことが残っているので、
それをクリアしてから撮りたいと考えているところです。
なので、今すぐにと言うわけにはいかないのですが、
いつか動画にしてアップしたいと思いますので、お待ちいただければ嬉しいです!
どうぞよろしくお願いします^^
↓以下、文章のみですが参考までにご質問の件についてお答えします。
色を変えるところと言うのは、かかとの部分のことでしょうか?
でしたら、今回ご紹介した Version 3 のアレンジバージョンのかかとで編む場合、
かかとの編み初めの部分で糸を変えて、かかと編みの最後の部分、ダブル目が両端にある状態で
輪にして編む時点で元の色の糸に変えて編むと、かかとの部分だけ違う色できれいに編むことができますよ!
穴が開かないようにする動画は、この動画のやり方と同じです。
(この方が編んでいる靴下はボックス型ですが、ショートローのかかとでもやり方は同じです。)
なのですが、今回私が編んで一番よかったと思っているかかと(茶色のタグのかかと)の穴では、ちょっと違う場所を拾っています。
(言葉ではとても説明しにくい・・・^^;)
実は今、もっといい拾い目の場所がないかと探している途中なのですが、
ここだ!と言う場所ができたら記事を更新しますね!
ちなみにピンクの毛糸のタグをつけた編地(Version3 の①の編み方は、上の動画の方法で行っています。
ありがとうございます!楽しみに待ちますよ〜((o(´∀`)o))ワクワク
それと今後shadow wrapも挑戦してみようと思ってます!
ありがとうございます!気長にお待ちいただければ嬉しいです^^;
Shadow Wrap、私はまだ試したことないんですよね~。
編んでみた際は、是非どんな感じか教えてくださいね!