裏目の右上2目一度(SSP)は、出現頻度は低いけど・・・
注意:今回はいつもに増して前書きが長いです。技法をすぐにご覧になりたい方は、このあたりからお読みいただくと早いと思います^^;
棒針編みで増目・減目の操作を行う時、通常は表側から行うことが多いのですが、パターンによっては裏側で行う場合もあります。
以前、Ginkgo Shawl と言うものを編んだのですが、そこでも今回ご紹介するやり方である SSP(Slip Slip Purl, 裏目の2目一度)が出てきました。(その時私はSSK だと勘違いして間違えましたw)
https://cosythings.introvertful.com/ginkgo-shawl/
難しくはないのですが少しややこしいので、やり方を書き留めておこうと思います。
裏目の2目一度(SSP)にはバリエーションがある・・・?
早速やり方を説明してくれている動画を YouTube で探したのですが、どれも微妙にやり方が違ってちょっと戸惑いました。
ハマナカさんの右上2目一度(裏)
最初に発見したのは、ハマナカさんの方法。
ハマナカさんのこの動画のシリーズはとても参考になるものが多く、特にゴム編み止めは繰り返し観てやり方を学ばせてもらいました。
しかし、この動画に関しては、この2目一度のやり方で行うと、ある問題が・・・。
ちょっとわかりにくいのですが、表側から見ると、2目一度で上になった目(赤丸で囲っている部分)がねじれ目になっているんです。
別の角度から。気になったので、ほかの動画を探してみます。
New Stitch a Day さんの SSP
SSP は、Slip Slip Purl TBL (THROUGH THE BACK LOOP=目の後ろ側から)と言う表示もされることがある通り、左針にかかっている最初の目と次の目を、右の針に表編を編む方向に1目ずつ移し、それらの目を左針に戻した後、目の後ろ側から右の針を入れて、裏編みで2目一度に編みます。
おそらくこの動画で紹介されている方法が、正しい裏目の右上2目一度の方法だと思います。
ハマナカさんの方法で編んでみたものと比べてみると、違いがよくわかります。このやり方は目がねじれていません。
しかし、この「目の後ろから針を入れて裏編みで2目一度」と言うのが、ちょっと手ごわい。細い糸を使う場合などは特に、気を付けて行わないと目が割れたりしてしまってスムーズにいかないことがあります。
そこで私はこの方法を少しアレンジして、次のように行っています。
私が一番簡単だと思う裏目の右上2目一度(SSP)のやり方
↑動画を撮ってみました。
- 左の針の最初の目と2番目の目を、1目ずつ右の針に滑らせます。(表目を編む向きに滑らせることに注意。)
- 次に左の針でたった今滑らせた2目を再び移すのですが、目の左側から針を入れるのではなく、右側から入れます。(2目一度に。)
- そうして左側に戻ってきた目を裏編みで2目一度に編みますが、後ろ側からではなく、通常の裏目を編むように針を入れて編みます。
出来上がりがこちら。このやり方でも、SSP TBL と全く同じ編地になります。
表側の編地を見ながら編まなくていいので、こちらのほうがすんなりできると思います。
そして、ここまで読んでお気づきの方もいらっしゃるかもしれないのですが、実はこの方法は、ハマナカさんが動画で紹介してくださっている方法の一部と同じなんです!
なので、やり方は文字で見るより、一番最初のハマナカさんの動画を観ていただいたほうがわかりやすいと思います
違うのは、最初の目を滑らす向き。表目を編むように1目ずつ滑らせるという点。(このことを英語では Slip Knitwise と言います。ハマナカさんは裏目を編む方向 (Purlwise)に滑らせていますよね。)
後の操作は、ハマナカさんの動画のやり方と一緒です。これで目がねじれずに済むはずです。
蛇足ですが、この編み方は、引き返し編みの段消し(右側)を行う時の目の入れ替え方にも使えます。(ハマナカさんの引き返し編みの動画ではKnitwise に滑っているのですが、この2目一度では Purlwise に滑っているのはなぜでしょう・・・。)
ハマナカさんのやり方以外にも。裏目の2目一度のやり方にいくつかバリエーションがあることに最初は戸惑いましたが、最終的に納得のいくやり方を見つけ、しかもより簡単な方法で編むことができるようになったのでよかったです。
SSP を使うパターンに遭遇したら、この方法を試してみてくださいね~^^
あ、ちなみに裏目の左上2目一度はとても簡単で、左針にある最初の目と次の目を、裏編で2目一度に編むだけです。英語ではP2tog (Purl 2 Together) と言います。
ではでは~^^