前回に引き続き、イギリスのカレッジで編み物を勉強したときのお話しです。
2つ目は、City Lit と言うカレッジなのですが、ここは前回の Mary Ward Centre と違ってモダンな感じの建物でした。
建物だけじゃなく、講座も都会的で近代的?なものが多かったです。
私が受講した編み物のコースは、全3回のコースです。毎週日曜日、一日6時間半、編み物漬けの一日を過ごします。
費用はこれまた、イギリス人や EU 圏出身のは175£ですが、それ以外の人は2倍(泣)
でも、その価値は十分にありました。少なくとも、わたしには!
と言うのも、このコースは中級者(improvers/intermediate)向けで、講師の先生も編み物雑誌の編集者で本も何冊か出版している、最先端で活躍されている方だったので、技術とセンスの両方を学ぶことができたからです。
編み物の技法って、極端な話、独学でもある程度は学ぶことができると思っています。特に今の時代は YouTube もあるし。
それじゃあなんでわざわざ学校で学ぶかと言うと、やっぱりその道のプロと接することで得られるものだったり、刺激だったりするのかな~と、最近強く思うようになりました。(次に紹介しようと思っている3つ目のカレッジの先生も、現役のニットデザイナーだったので。)
教室は毛糸や編み物の道具であふれていました。
面白かったのが、毛糸だけでなくどんな素材も編み物に使ってしまおうと、カセットテープが箱に入っていたこと!(笑)
先生の切り抜きには、単なる趣味の編み物から一歩踏み込んだ、ファッションショーで使われるようなニットもありました。
ヴィンテージのパターン。私も集めていますが、大好きなんです♡
特に60年代のパターンとか、古いデザインが逆に新鮮でおしゃれに見えます。
膨大な数の資料とプリント。
基本は実習がメインなのですが、先生がその日扱うテーマに沿った資料を読みながら、解説する時間もありました。
学ぶ内容はいろいろな種類のスティッチ(例えばdrop stitch とか 編みこみ模様とか)のデモンストレーションだけでなく、カラー理論や糸の種類や取り扱い方、どのようにしてオリジナルの作品を作るか、インスピレーションをどこから得るのかなど多岐にわたり、為になるお話ばかりでした。
また、受講生は8人くらいいたのですが、テーブルを順番に周ってすべての人に時間を割いてくれたので、個人個人のペースで好きなことを学べるシステムになっていたのが良かったです。
先生のアドバイスを受けて、初めて自分で編んでみたティーコゼー。(改善の余地があるので、完成はさせませんでした^^;)
それでも簡単なものなら自分でも作れるんだという、自信につながりました!
巨大すぎるジャンボ針ww
先生はすごく気前が良くて、受講者がどうしたら効率よく学べるかを第一に考えてくれて、写真だけでなく動画もバンバンとってオッケーと言ってくださったのがびっくり。
先生曰く、動画だと分からなくなったときに手順を追えるからとのことでした。
先生の私物の針も毛糸もパターンも自由に使ってと言ってくれたので、私は使ったことがなかった Addi の輪針を使わせてもらいました。ケーブルの柔らかさに驚き!
編み心地は悪くなかったのですが、個人的に金属の針は滑りが良すぎるのと、先があまりとがっていないので目の拾いやすさは knitpro のほうが勝るかなと感じました。
あとは・・・この先生の作品が、私の好みに合っていました。
この色使い、いかにも西洋人の色使いって感じ。私はこういうテイストが大好きなので、見習いたいです。
これは、「異なる太さの糸でガーター編みをするだけで、面白い表情の編地になる」と言う見本。
たとえ初心者で表編しかできなくても、針や糸を変えるだけでちょっと変わった作品が作れるんだと言う、目から鱗のお話でした。
ちなみに先生は手前の編地を使って、クッションカバーを作っていました。
フェアアイルなどで色の組み合わせを考えるとき、テンションスワッチ(日本語でいうゲージ)を編む前に、こんなカードを作ると大体の感じがつかめて便利♪と言う裏技も教えてもらいました^^
ブロッキングの説明までありました。
生徒からのリクエストにも答えてくれる、まさに至れり尽くせりの授業でした。
City Lit でのこの先生の授業、実は私が日本に帰る直前の来年の2月にもう一度あるんです!それも参加したいと考えています!
そのくらい、私にとっては魅力のある授業でした^^