引き返し編みの技法3種類を比較してみました!

引き返し編みは、ウェアの肩下がりや靴下のかかと、棒針編みで円を編むときなどに使われる技法です。

日本で引き返し編みと言えば、「掛け目・滑り目」の編み方が一般的だと思います。私も、最初に習った引き返し編みの編み方はその方法でした。

しかし、海外のパターンや YouTube で靴下編みの動画を観ていると、ほかにもいろいろな引き返し編みがあることを知りました。(ちなみに引き返し編みにあたる用語は、Short Rows (Knitting) と言うそうです。)

そこで、日本式の引き返し編みと比べてどんな違いがあるのかを実際に編んで比べてみたので、ご紹介したいと思います!

W&T (Wrap and Turn)

編地は、右側と左側の両方で引き返し編みをしてあります。

W&T は日本式より簡単な引き返し編みで、文字通り目を包むように (Wrap) して、編地を裏返す (Turn) と言う方法で編まれます。

対象の目を滑ってから糸を前に持ってくるか・糸を前に持ってきてから目を滑るかによってラップの向きが時計回りと反時計回りになるという違いが生まれるのですが、この辺は人によってやり方が違うみたいですね。

私は目を滑ってから糸をラップして裏返す方法で編んでいるので、今回の編地もそのように編みました。(時計回りのW&Tです。)

W&T の引き返し編みは日本式よりは簡単なのですが、思っていたより表にひびきますね・・・。

グレーがW&T、緑が日本式、青がドイツ式ですが、上の二つに比べてもはっきりとした差があります。(赤丸がついているところ、目立ちますよね。)

ちなみに裏側はこんな感じ。表よりはマシかな・・・。

W&T は、個人的にはあまり好きではありません(笑)でも、こちらで(少なくともロンドンで)引き返し編みと言ったら、W&T が一番一般的です。

Japanese Short Rows(日本式引き返し編み)

W&T に比べて、引き返し編みの部分がほとんど目立っていません。かなりいい感じです。

この日本式の引き返し編みの欠点は、人によってはややこしく感じることだと思います。初めて編むときは少し戸惑うかも。

特に段消しの部分、「滑り目まで編んで掛け目と次の目を二目一度」と言うのが間違いやすいポイントです。表側はまだしも、裏側では、「裏から編む2目一度」をしなくてはいけないというのもわかりづらい。

慣れればそうでもないんですけどね^^;

German Short Rows (ドイツ式引き返し編み)

それでは、ドイツ式の引き返し編みはどうでしょう。

ドイツ式の引き返し編みは、いわゆる Double Stitch(ダブルスティッチ)と呼ばれる目を作って行います。

やり方はすごく簡単で、表側も裏側も同じ手順で行います。「ターンしてから滑る」と言うことと、「滑るときはどちらの側も、糸は手前にある」と、私は覚えています!

こちらの編地も、日本式と同様にいい感じですね。

この時点で、私の中で W&T と言う選択肢はなくなりました(笑)

日本式とドイツ式のどちらが良いか

今回私が編んでみた限りでは、日本式とドイツ式の間に、見た目に大きな差がないということがわかりました。

ただし、それは表地に限っての話。

裏返してみると、若干差があることがわかりました。

上の緑が日本式、下の青がドイツ式です。

日本式では、掛け目の部分が他の目に比べて大きくなっているのが見て取れます。一方のドイツ式では、目の大きさはほぼ一定です。

(ちなみにドイツ式の編地、右上の部分が不自然に引き連れているのは、糸始末の仕方が悪かったせいでこうなっています^^;)

セーターなどで裏が隠れる作品はどちらの方法でもいいと思いますが、ショールなどの裏が見える可能性のある作品には、ドイツ式の引き返し編みのほうがふさわしいのかな~と思いました。編み方も一番簡単だし。

結論:ドイツ式が一番簡単できれいな引き返し編みの方法

今回編んでみた限りでは、ドイツ式が一番簡単な方法で、仕上がりもきれいだという結論に至りました。

色んな技法を知っていたほうが制作の幅が広がりますが、引き返し編みに初めてチャレンジするという方にはドイツ式がおすすめです^^

ちなみに、引き返し編みには今回ご紹介した W&T (Wrap And Turn・ラップアンドターン)、German Short Rows、Japanese Short Rows のほかに、Shadow Wraps や Yarn Over などの方法もあります。

この動画では、それぞれの違いを詳しく説明してくれています。

英語なのと、編み物の構造のお話なので結構難しいお話ですが、かなり有益なことを教えてくださっているので、詳しく知りたい方にはすごくお勧めの動画です!

ちなみに今回私が行った中では、W&T と残りの2つ(日本式・ドイツ式)は別のグループに属するので、見た目が違ってみるのもそのせいだったみたい。

動画の Roxanne さんは、ドイツ式と日本式は「違う編み方で全く同じの編地を編むやり方。」とおっしゃっていますね。

Roxanne さんの日本式のやり方は、掛け目をしないでスティッチマーカーを使ったやり方をしているので、私の編んだ編地の裏のように目が大きくならなかったのかな?と思います。そのため、見た目にも変化はなかったのかと推測。

ただ、いちいちスティッチマーカーを使うのは非常にめんどくさいので、私はドイツ式一択かな~w

さらに蛇足ですが、W&T のパターンをドイツ式の引き返し編みに代用するときは、引き返しの目の数を変えたりする必要があるので注意が必要です。(例えば、W&T で編むときはラップする目を一目残してターンしますが、ドイツ式に変える場合はその目を編みきってターンするとか。)

引き返し編み、奥が深いですが、今回実際に編んでみて違いを確認できたので、少しだけ理解度が高まったかなと思います^^

少しでも参考になれば幸いです。

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投稿者 よもぎ

「様々な引き返し編みの技法ーW&T・日本式・ドイツ式で編んだショートロウの編地を比較してみました」に4件のコメントがあります
  1. はじめまして。
    今回の「引き返し編みの比較」とても参考になりました!
    ところで、最初は「青が日本式」となっていますが、
    裏側の比較では「青がドイツ式」となっています。
    どちらが正しいのでしょう?

    1. もももも桃さん

      初めまして!コメントありがとうございます。

      すみません!この記事、他にもいろいろ間違っていました(汗)
      正しくは、青がドイツ式、緑が日本式です。(裏が若干乱れているのが日本式。)

      記事を修正したので、これで間違いはないと思うのですが・・・。
      ご指摘がなかったらつじつまが合わない意味不明の説明のままでした。
      ありがとうございます( ;∀;)

      1. よもぎ様

        青がドイツ式ですね!
        ドイツ式、初めて知ったので是非試してみます(^∇^)
        今まで基礎本をガン見しながら日本式で頑張って編んでたのですが、
        なかなか上手く出来ない&覚えられない で…(>_<)

        とても役に立つ情報、ありがとうございました!

        最後になりましたが、ブログ、いつも楽しく拝見しています。
        これからも楽しみにしています(^ ^)

        1. もももも桃さん

          日本式ややこしいですよね~((+_+))
          私は基礎本を日本に置いてきたので、最近は YouTube などの動画で新しいやり方を学んでいます。
          たまに自己流で違う編み方になっている方もいるので、参考にする動画はよく吟味したいところですが、
          とても分かりやすく説明してくれている動画が多くておすすめですよ!
          ちなみにドイツ式の引き返し編みでおすすめの動画はこちらです。

          いつもブログを読んでくださっているということで、ありがとうございます!うれしいです^^
          他にも学んだ技法などについて書きたいテーマがいくつかあるのですが、三脚がないので手のポジションなどの写真がうまく撮れず、
          後回しになっています(汗)
          日本に帰ったら少しずつ動き出そうと思っているので、今後ともどうぞよろしくお願いします^^

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