Jolleri Handicraft Chamber のお店の人に教えてもらい、次に向かった先はこの Estonian Handicraft House です。

ここでは主に、エストニアの伝統工芸品のお土産を取り扱っています。

タリンの旧市街の中に3店舗あるのですが、 Pikk 22 と言う通りにあるお店が民族衣装関連のお土産が充実している店舗です。

実は最初に行ったお店が支店だったことに気づかず、途中で寄ったお土産屋さんの人に「閉まってて行けなかった~」と言ったら、「そんなことはないはず!電話をかけて調べてあげる!」と、わざわざ電話をしてくださいました。

そのおかげで、なんとか無事に到着。

ドアを開けると目の前に広がる、色鮮やかな伝統工芸品の数々!

こちらは民族衣装のコーナー。(携帯のカメラで撮ったせいで画質が悪くてすみません・汗)

お店の人が言っていたのですが、民族衣装を一式購入していった日本人観光客がいたそうです。うらやましい!

しかしニッター的にやはり一番気になるのは、ミトンではないでしょうか。

完成品も販売していますが、こちらのミトンは自分で作れるキットになっています。それぞれのミトンにシールが貼ってあるのですが、そのシールには地名が書かれていて、エストニアのどの地域のミトンかが分かるようになっています。

実をいうと、私の中ではミトンと言うとラトビアのイメージが強かったので、エストニアのミトンはノータッチだったのですが・・・実物を目にすると、なにこれ繊細で可愛い!という柄が多かったのが意外な発見でした。

そしてここでもお店の人に「ラトビアのミトンとの違い」を尋ねてみたのですが、やっぱりあまりないとのこと。「私はラトビアのミトンが好き。彼女たちのはとても細い糸で細かく編まれてるから。」とおっしゃっていました(笑)

個人的に気になったのはこの柄。3色しか使っていないけど、デザインと配色のおかげでインパクトがある仕上がりになってるな~と感じました。

キフヌ島と言うエストニア本土から少し離れた場所にある島の伝統パターン。

この島はユネスコの無形文化遺産に登録されているそうです。エストニアの民族衣装と言ったらこの島と言うくらい有名なところらしい・・・いつか行ってみたいです!

指の一つ一つの部分にお花の模様があしらわれていて素敵です。

この地図を見ると明らかなように、地域ごとにいろんな伝統柄が残されているんですね~。

刺繍も伝統工芸の一つのようです。かなりインパクトのある刺繍ですが、特別な日のコーディネートのアクセントにいいかも。でも履くのがもったいないと思って結局使えなさそう・・・^^;

こちらも画質が良くないのが残念ですが、生で見ると本当に繊細で見ているだけで幸せでした♡

少ないですが、毛糸も売っています。

これは Haapsalu Shawl 用の糸。なぜかシェトランドの毛糸も売っていましたw

一通り店内を見渡した後、地下に続く階段を発見。

そこにはこのお店に商品を卸しているいるデザイナーさんが2人いて、彼女たちからとても興味深いお話を聞くことができました。

中でもニットウェアデザイナーの方とのお話はとても興味深いものでした。

彼女のデザインする洋服は、エストニアの伝統的なモチーフをアレンジした物だそうです。

例えばこのデザイン、もともとはミトンに使われた柄のデザインだそうですが、彼女はそれをカーディガンにアレンジしなおしました。

(実際に元になったミトンと見比べながら説明してくれたのですが、ミトンの写真を取るのを忘れた^^; 元になったミトンのカフ部分にはカーディガン胴体の模様が使われていて、指の部分にはひし形の模様があしらわれていました。)

デザイナーさんは、

「伝統柄が私のアイディアの源。それを現代風にアレンジするのが好き。」

とおっしゃってて、私と同じです!!!とすごく共感しました!(私は形にするところにまで至ってないけど・・・(笑))

また、エストニアの伝統工芸に使用されている色はとても豊かです。その一方、このカーディガンのように白とネイビー(インディゴ)、またはニュートラルカラーしか使わない作品も少なくありませんでした。

そこで、「なぜカラフルなミトンとそうでないものがあるのか。」と疑問に思い尋ねたところ、これまた興味深い答えが。

なんでも、古い時代のミトンは未染色の羊毛を使っていたため、白と茶色(そのままの羊の色)だったのですが、染色技術が発達するにつれて、まずはお金持ちの人たちがそのリッチさを誇示するために色のついた羊毛を使うようになり、それが手に入りやすくなると、次第に一般の人にも広がっていったという歴史があるそうです。

赤い色が使われることが多かったのですが、赤は魔よけの色で、それを身に着ける人を邪悪なものから守るという意味が込められていたのだとも教えてくれました。

それを聞いて、着るものにそういった願いを込めるのはこぎん刺しの着物にも通じるところがあるな~と言うのを思い出しました。場所は違えど、昔の人が願ったのは家族の幸せと健康なんですね。

このデザイナーさんはワークショップを開いているとおっしゃっていて、私も参加したいな~と言ったら、ぜひ来て!と言ってくれました。

それ以外でも、エストニアでは1年に一度、夏の時期に Craft Camp と言うイベントが開かれているそうで、そこではエストニアの編み物のワークショップが英語で受講できるとのこと。

これはすごく参加したい・・・・!!!

けどまずは、編み物の技術を向上させるのが先かな^^;

ところで、ホテルに帰って頂いた名刺を調べたら、このデザイナーさんはエストニアで有名なニットウェアのデザイナーだということが判明!とても感じのいい方で、お話からニットへの愛情が伝わってくる素敵な方でした。

今回の旅の一番の思い出は、やはり伝統工芸の分野に実際に携わっている方々とお話しできたことです。特にエストニアにはそういう方がたくさんいらっしゃったので、色々な方からお話を伺うことができたのは、何よりも嬉しいことでした。

そしてこちらは、別の店舗。やはり取り扱っている作品数は本店が一番多いかな。

こちらの地下に続く階段の先にもお店があるのですが、この日は閉まっていました。

ちなみに開いているドアの先にも Katariina Guild と言うギャラリー兼お店があってのぞかせてもらったのですが、特にパッチワークキルトの製作者の作品が素晴らしかった!!

私にとってキルトは刺繍同様、鬼門のような存在ですが(笑)、自分では作れないような分野の作品を見ると、すごく心が躍ります。

長くなりましたが、この Estonian Handicraft House はとても見ごたえのあるお店だったので、またいつか行けたらいいな~と思っています。

その時は、ミトンのキットを忘れずに買おっと♪

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投稿者 よもぎ

「【エストニア】エストニアの民族衣装や伝統工芸品を扱うお店、Estonian Handicraft House (Eesti Käsitöö Kodu)」に2件のコメントがあります
  1. こんにちは。
    こちらのブログも楽しみに読ませていただいてます。

    私はかぎ針編みをほんのちょこっとするくらいで、
    棒針は全くできないんですが、作品を見るのは好きです。
    よもぎさんが書いているように、
    自分が作れないものを見てわくわくしたり、感動したりします。

    ミトンもかわいいですね。
    私はもし行っても完成品を買うことになりますが(笑)
    どれにしようか迷ってしまって選べなさそうです。

    あと、少し前のブログですが、
    フェアアイルのブックマーク、可愛いですね。
    読書がはかどりそうです^^
    インヴァネスって、コートのイメージでした。

    1. ノエルママさん

      こちらにもコメントありがとうございます^^

      そうですよね~!自分では思いつかないようなデザインや色の組み合わせを見たりしても
      すごく刺激をもらえて、創作意欲が沸き立ちます(笑)

      ミトンはものすごい数でしたよ~!
      1つ1つデザインもサイズも、仕上がり具合も違うので
      お気に入りの1枚を見つけるのは結構大変かも^^;
      私は「どうやって編まれてるんだろう?」と言うデザインに惹かれ、
      サイズが少し大きめのものを買ってしまいました。完全に観賞用です(笑)

      フェアアイルのブックマーク、色の組み合わせがあんまり納得いっていないのですが
      Hazel さんのデザインはさすが、素敵ですよね。

      インヴァネスとコート・・・初めて聞きました(・o・)
      ググったら、なるほど~!このタイプのコート、インヴァネスコートっていうんですね。
      一つ賢くなりました~(笑)ありがとうございます^^

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